本日は日本のかけがえのない伝統工芸の匠の技が詰まった見事なかんざしをご紹介させていただきます。べっ甲の中でも最も希少性の高い白べっ甲を贅沢に用いて肉厚にかたどられたバチ型のかんざし。
その装飾に色合いの異なる螺鈿と金蒔絵で描かれた、モダンな印象にアレンジされたペイズリー調の幾何学模様。そして側面には黒漆に純金(24K)製の円盤を配した、截金(きりがね)という装飾技法が用いられています。
まさに日本の伝統工芸の匠の技がこの一本のかんざしに凝縮された逸品です。このクラスともなると、もはや美術品と呼んでも決しておかしくありませんが、あくまで髪に挿してお使いいただく装身具(実用品)、準礼装におすすめなべっ甲螺鈿金蒔絵のかんざしです。(2020.09.掲載商品)
様々な蒔絵技法をふんだんに駆使して、この素晴らしい蒔絵を手掛けてくださったのは、加賀蒔絵師の中では最高峰と言っても過言ではない高田光貴氏。弊社のべっ甲かんざしや象牙製の扇子の親骨など、多くの和装小物類に日本のかけがえのない伝統技法、蒔絵を通して素敵な輝きを添えてくださっています。
こちらのかんざしは、2016年に初めてご紹介したものになりますが、その後も一部螺鈿や金蒔絵に変化を加えたり、かんざしの大きさを変えながら1点1点丹精を込めて継続して製作しております。また、大きさの異なる3種のかんざしが同時に店頭に並ぶことは非常に珍しいのですが、ちょうど欠品中のかんざしが完成し全種が揃いましたので、3種を一緒に並べて撮影させて頂きました。
大きさが異なる以外は、かんざしの形状、装飾ともほぼ3種同一ですが、一種ずつ撮影して寸法を数字で表記するよりも、一緒に並べてご覧になれた方が大きさの違いなどもイメージしやすいかと思います。
さらに今回は特別に、本日ご紹介するかんざしの蒔絵の制作風景がご覧いただける、貴重な動画(3分半ほど)もご紹介させて頂いておりますので、ぜひ下記リンクの過去記事と合わせてご覧いただければ幸いです。
「べっ甲幾何学模様螺鈿金蒔絵かんざし|黒革の手帖|華麗な着物に」2017/08掲載商品
「べっ甲幾何学模様鈿金蒔絵かんざし」2016/09掲載商品
★かんざしのご紹介の最後に、加賀蒔絵師の高田光貴氏のインタビューと貴重な制作風景動画あり。ぜひご覧ください。↓
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