本日はかんざしの表面に立派な朱鷺(トキ)の番いを金蒔絵した、大変珍しいべっ甲かんざしをご紹介させていただきます。朱鷺と聞いて思い描くのは“鶴は千年亀は万年”の言葉通り、鶴と同様に日本を代表する“国鳥”と思われている方も多いかと思いますが、実は鶴も朱鷺も国鳥ではありません。
鶴は、“鶴は千年亀は万年”、“夫婦鶴”とともに健康長寿、子孫繁栄の縁起物として日本では古くから親しまれています。弊社でも礼装用のかんざしとして、しばしば鶴のモチーフを使用した透かし彫りや金蒔絵のかんざしをデザインし製作しています。昨年は鴛鴦(オシドリ)の美しい金蒔絵のべっ甲かんざしも製作しましたね。そして朱鷺もしばしば“日本を象徴する鳥”などとも言われていますが国鳥ではありません。
さてそれでは、日本の国鳥はなんでしょう?答えは、万葉集の歌に詠まれたり、日本昔話では桃太郎のお供として鬼ヶ島へ渡った雉(きじ)になります。皆さんはご存じでしたか?
こちらのかんざしは茨布(ばらふ)べっ甲(べっ甲の天然模様が美しい種類のべっ甲)を用いているので、黒留袖や結婚式など、あまりかしこまったお席にはお勧めはできませんが、セミフォーマルとして準礼装の訪問着から、金蒔絵の金色が落ち着いた優しい輝きなので、附下や小紋などの外出着、ちょっと贅沢な普段使いのかんざしとしてもお挿しになられても宜しいかと思います。
それではペリカン目トキ科トキ属に分類される朱鷺、学名Nipponia nippon(ニッポニア・ニッポン)をモチーフにしました珍しいかんざしをどうぞご覧ください。(参考:佐渡トキファンクラブ)
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