おかげさまで銀座かなめ屋は創業90周年を迎えることができました
創業90周年を迎えて
銀座かなめ屋は本日、令和6年(2024年)4月1日、創業九十周年を迎えることが出来ました。世の中が目まぐるしく変化する中で今日まで営業を続けてこれたのも、これもひとえに、今まで弊社をご利用くださった数え切れないお客様、そして小売業には無くてはならない仕入先のお取引先さま、さらにいつもご無理を聞いてくださり、見事な商品を生み出してくださる多くの腕利きの職人(技術者)の皆さまが、弊社を支えてくださったからにほかなりません。
心より感謝、そして御礼申し上げます。
振り返れば10年前、2014年4月、創業80周年を記念し10種の記念のかんざしを製作いたしました。 特に私の祖父、初代店主が勾玉をモチーフにしデザインした、今でも使用している弊社包装紙の図案を元に制作した、現ホームページのトップ画像でも使用しているべっ甲かんざしのひとつは、後にテレビドラマ、武井咲さん主演、「黒革の手帖2017」の番宣ポスターにも使用されるなど、大きな反響を戴きました。
そして2019年4月の創業85年の折り、長年使い続けた店舗の内装を全面改装し、明るく、多岐にわたる和装小物類がより見やすくなりました。その1年後、改装1周年記念のイベントを予定していましたが、あの“騒動”により開催出来ず、その後は推して知るように、創業以来、少なくとも私が社業を継承してから最大のピンチが訪れました。
2008年のリーマンショック、その景気後退のショックから何とか立ち直り始めた矢先に起こった、2011年の東日本大震災。再び銀座もゴーストタウンが如く街中からネオン灯が消え、ご贔屓くださっていた銀座のお客様、そして日本中から広くご利用くださっていたお客さまのお足もしばらく遠のきました。
しかし次第に震災復興への機運が日本中から高まると共に、銀座もいつしか活気を取り戻すことができ、弊社も何とか危機を乗り越えることが出来ました。
しかし、あの2020年から3年もの長きに渡り続いたあの“騒動”は、いままでの危機とはまったく比べ物になりませんでした。そして一番の困難は、いつまで続くかまったくわからない、まさに先が見通せない暗闇の中を手持ちの兵糧も少ない中、先に進まなければならなかったことです。
リーマンショック、そして震災をも乗り越えてきた、地元の日ごろご贔屓くださっていたお客様もまたひとり、また一件と中にはお店ごと銀座を後にし、いまだに戻ってきません。
あまりに長過ぎました。
そして、モノ作りで大切なことは“継続性”です。特に職人の場合は常に手を動かしていないと手先が鈍ってしまいダメだとよく聞きます。この3年間は弊社も売り上げが低迷する中、自ずと仕入れやオーダーは必要最低限まで絞り込まざる終えませんでした。
そうした3年の間に、メーカーや問屋も取り扱い品目の縮小や廃版をすすめ、さらに支店の閉鎖など同じく生き残りを懸けていました。さらに元々高齢者の多かった腕利きの職人たちがひとり、またひとりと現場を去って行き、弊社のような既製品ではなく、手作りのオリジナル商品を多く扱う専門店としてはまさに大きな危機でした。
これは決して弊社のような和装小物関連に限ったことではありませんが、それでも一度灯の消えたモノ作りの技術は、再開がとても困難になります。そしてそれは今でも続いています。
本来であれば、90周年の記念に新作をいくつか製作するべく頭を巡らせておりましたが、10年前とは様相がまったく異なり、現在試行錯誤しております。
またそれとは別に、現在本ウェブサイトのリニューアルを合わせて進めております。お客様のお声を考慮しながら、より見やすく改善させて頂けるかと思います。しばしお待ちください。
そしてこの困難を何としても乗り越え、日本のかけがえのない大切な伝統工芸、和装文化を後世へと伝えていきたいと改めて強く思う、創業90年目の節目の今日です。
引き続き、どうぞご愛顧のほどお願い申し上げます。
令和六年(2024年)四月一日
銀座かなめ屋・三代目
「白べっ甲牡丹飾り簪2019|日本の古き良き伝統技の復刻、振袖、色打掛におすすめなかんざし。」2019/02掲載商品(喜山作)
「銀座かなめ屋は、創業80周年を迎えました。 これからも斧琴菊(よきことをきき)ながら日々精進。」2014/04/01投稿
《80周年記念かんざし・10種まとめ》(外部サイトアメブロへ)
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※べっ甲製品の場合、一見同じ様なお品物でも、使用されているべっ甲の品質や厚み等によって価格が大きく変動いたします。
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