
昨日(2018/01/04)放送された「和風総本家」正月150分SP~日本の職人24時・2018に艶やかなお着物でご出演された、MEGUMIさんが挿されたべっ甲かんざしをご協力させて頂きました。番組の最後に高速で流れていくエンドロールにほんの1,2秒ではありましたが、それでもこの種のテロップとしては結構大きなサイズ(黒革の手帖の時の3倍くらい?!(笑))で「銀座かなめ屋」の文字を流して頂きました。有難う御座いました。(2018.01掲載商品)
番組の内容は国内外でご活躍される日本の職人にスポットを当てたSP版ということでしたが、中には高齢のお母様を日本に残し海外で活躍されている職人さん、またある方は日本の老舗和菓子店の後継者でありながらもその道を断ち、海外に活躍の場を求め頑張っている職人さん。等など、皆様々なバックグラウンドを持ちながらも、それぞれが持つ職人の技術をそれぞれの場で輝かせるべく頑張っていらっしゃいました。
何度もこのブログでも書いているように、私は職人ではなく一小売屋の店主です。かんざしや帯留などをはじめとする和装小物における様々なノウハウやアイデア、コネクションはそれ相応に持っています。しかし実際、それを現物のモノとして生み出す(作り出す)ことは出来ません。べっ甲製品をはじめとする弊社で取り扱う希少な和装小物の数々は、その道の匠の職人さんたちの素晴らしい力(技術)があってこそ成り立っています。
しかしながら近年は昨今の時代背景、価値観の変化(モノ、和装に対する)、また和装業界の衰退等々、様々な理由からそうした「和」に携わる職人も次第に高齢化、後継者も将来的に生計を立てられるか否かの不安要素が多いため育たず(居なく)、益々廃業するところが多くなっています。決して次世代を担う若手(後継者)もゼロではありませんが、絶対数は日々確実に減り続けています。
そうした中、和装小物の専門店の一店主として出来ることと言えば、ひとつひとついいもの(本物)を腕利きの職人さんたちに制作を依頼し、そうして出来上がった本物の作品(商品)を、一人でも多くの方(世間)にご紹介し、そして求めるお客様方のお手元に届けることだと思っています。
昔から三方良し(売り手良し、買い手良し、世間良し)という言葉があります。商売の基本となる当たり前のことを表した言葉ですが、私の場合、売り手(弊社)良し、買い手(お客様)良し、世間(職人・作り手)良しと考え、この三方良し(Win、Win、Win)の好サイクルを一歩一歩着実に作り上げていくことが今の流れを変える上で重要なことだと思っています。
商品が売れれば小売店は喜び、ご納得のいく探し物を手にされたお客様はお喜びになり、その作品を作り出した(生み出した)職人もまた喜び(やりがいにも繋がり)、そして何よりも新たなモノ作り(仕事)が依頼でき、三方良し(Win、Win,Win)の好循環が生まれます。
先ほどのように、あまり多くの時間は残されていないかもしれませんが、それでも毎日コツコツ、今のかなめ屋に、そして私に出来ることを一歩一歩確実に前へと進め、この好循環が少しでも大きく育って行くよう、微力ながら歯車の一つとなり日々精進していければと思います。
さて、また少し?!、前置きのお話が長くなりましたが、2018年度、平成30年の最初ご紹介するかんざしは、表題の通り縁起物の鶴をモチーフに、長寿、繁栄、幸運の意味を込めて制作した大変美しいべっ甲かんざしです。結婚式、披露宴などおめでたい機会に、黒留袖、色留袖、訪問着など礼装のお着物にお勧めなかんざしです。
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