べっ甲牡丹源氏車螺鈿金蒔絵帯留2種|準礼装のおキモノにお勧め|広山
先日ご紹介しました百花の王、牡丹のべっ甲かんざしに引き続き、本日は牡丹と源氏車の意匠の螺鈿金蒔絵の帯留を2種ご紹介させて頂きます。
螺鈿金蒔絵は昔東京の三大名蒔絵師の一人として謳われた広山氏(故人)の手による逸品です。どちらもやや大きなサイズでべっ甲本体も肉厚な作りで大変贅沢な帯留になります。(2018.03.掲載商品)
以前ブログでご紹介させて頂きました螺鈿金蒔絵の櫛(光山氏作)をご紹介させて頂いたときに蒔絵師を元東京の三大名蒔絵師の「広山」氏と誤ってご紹介してしまいました(訂正済み)。「広山」も「光山」も読み方は同じ「こうざん」です。著名な蒔絵師ともなると、その仕事仕事により複数の款識(かんし/作者の署名、落款(らっかん)/名前)を持ち、手掛ける物によりそれらの名前を使い分けていることがあります。二人の蒔絵の作風もとても似ていることから、同一人物と思っていました…。
ところが、先の螺鈿金蒔絵の櫛をお買い求め下さったお客様からのお問い合わせに、念のため昔の蒔絵師に詳しいご高齢の職人さんに尋ねてみました。するとどうでしょう、二人は別人であることが分かりました。本日ご紹介する帯留を手掛けられた、東京の三大名蒔絵師と謳われた「広山」氏(他にも3つほど名前もを持っていたそうです)と、先ほどの櫛の「光山」氏は実は親戚同士で、しかも、「光山」は、「広山」の師匠にあたることが判明致しました。道理でお二方の作風が似ている訳です。
あまりご興味のない方にはつまらぬことかもしれませんが、こうしたこと伝統工芸に纏わる事柄は、どこかしらで書き留めておかねばなりません。さもなくば、近い将来、誰もわからなくなり、自然と消えてしまいます。今回の一件は、お客様からの素朴な質問にお答えする形で、私の間違いが分かりこうして正しい情報を書き留めることが出来ました。お客様には感謝申し上げる次第です。(お客様はご納得の上でご購入下さいました。念のため。)
「武山」(ぶざん/故人)と「光山」(こうざん)と「広山」(こうざん/故人)
かつて東京の三大蒔絵師のひとりと謳われた広山氏は、同じく東京の三大蒔絵師のひとり武山氏の弟子で、武山氏とはご親戚関係にあったそうです。
また、光山氏は同じく武山氏の弟子で、広山氏の兄弟子にあたり、しかも武山氏の実のご子息であったそうです。【訂正】2018.4.
※過日、武山氏のご子息で、光山氏の実弟様より直接ご連絡を頂戴いたしました。また光山氏はご存命ですが、近年は作品作りから遠ざかっているとのことです。こちらにて訂正してお詫び申し上げます。(銀座かなめ屋・三代目店主)
さて、毎回ご説明しているように、螺鈿金蒔絵の装飾のあるものは、ご覧になる角度や光の当たり具合で、彩度や輝き方全く異なって見えます。よって、いつも通り様々な角度から撮影させて頂きましたので、どうぞ最後までご覧ください。
色合いの異なる小さく、小さく裁断した貝片を、蒔絵師の巧みな技と根気で一片一片漆の上に置いていきます。そしてその上からまた漆を塗り、研ぎだして、また塗ってと、気の遠くなるような作業を何度も繰り返します。そしてその上から部分的に金蒔絵で線(輪郭)を上塗りしていきます。葉の辺りなどよくご覧になると、極小の螺鈿の上にも金蒔絵で葉脈がなぞらえていることがご覧になれるかと思います。
また右端のくるっと丸められた筒状の上部も、グラデーションを効かせた青色から緑色の螺鈿、あたかも筒状になっているように見えますね。匠の職人がなせる業です。
・べっ甲牡丹源氏車螺鈿金蒔絵絵巻物型帯留【hpobf180309-1】¥410,000+税【現品限り】
(螺鈿金蒔絵:広山/三分・四分紐対応)
(大きさ:約縦45㎜、横86㎜、厚み4~5㎜)
・べっ甲牡丹源氏車螺鈿金蒔絵扇型帯留【hpobf180309-2】¥340,000+税【現品限り】
(螺鈿金蒔絵:広山/三分・四分紐対応)
(大きさ:約縦48㎜、横75㎜、厚み5~4㎜)
※天然素材(べっ甲、象牙、珊瑚、真珠等)、貴金属(金、銀、プラチナ等)を用いた手作り品は、 製作時に使用する材料、また加工費などにより価格が変動する場合が御座います。また、ひとつひとつ大きさや形状、装飾などが若干変わる場合が御座います。予めご了承ください。
※べっ甲製品の場合、一見同じ様なお品物でも、使用されているべっ甲の品質や厚み等によって価格が大きく変動いたします。
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