蒼翠色に美しく輝く螺鈿かんざし2025|木製流水のきらめき簪
前回の投稿から早1か月ほど経ってしまいましたが、この時期は三寒四温が如く、寒暖差の激しい気候に着るものなど一喜一憂しますね。それでも季節は確実に春へと移り変わって行きます。(2025.03.掲載商品)
さて本日は、1月にご紹介致しました桜の花びらを螺鈿でかたどった夜桜のかんざしに引き続き、美しく蒼翠色に輝く大変希少な螺鈿(青貝(夜光貝))をかんざしの峰いっぱいに贅沢にちりばめ、煌めく流水に見立てた素敵なかんざしをご紹介させていただきます。
「美しい輝きを纏いて花開く満開の桜|木製夜桜螺鈿かんざし2025」2025/01掲載商品
この流水のかんざし、ご記憶にある方もいらっしゃるかと思いますが、実は1年ほど前に少しデザインは異なりますが製作、当ホームページにて掲載させていただきました。そして、あっという間に完売してしまいました。
それほど美しく、また他では殆ど見ることのできなくなってしまったこの希少な螺鈿(青貝(夜光貝))、そしてこのかんざしを製作してくださった永真さん匠の技なのでしょうか。
いずれにいたしましても、もしお目に留まりましたらお早めのお問い合わせ、ご来店をお待ちしております。
「蒼翠色に美しく輝く螺鈿かんざし2024①|木製流水のきらめき簪」2024/05掲載商品【完売】
多くの場合、螺鈿は細かく正方形に切り分けしたものを、色合わせをしながら一片一片漆の上に配していきます。こちらはご覧の通り、珍しい長方形にカットした螺鈿を用いて水面(みなも)を表現しています。
現在では蒔絵師でも入手が困難な良質な青貝(夜光貝)を、これほど贅沢に、かんざし全面に使用しています。さらに、丸みを持たせたかんざしの側面に至るまで装飾し、かんざしを一回り大きく見せる効果と共に、かんざしを髪にお挿しになられたときに、斜からのぞくかんざしからも、きらっと螺鈿の美しい輝きがあふれる様に映ります。
ところどころに散りばめられた乳白色の装飾も貝。水しぶきに日の光が反射し、きらきらと煌めく、幻想的な水飛沫を表現しています。
・流水きらめき木製螺鈿かんざし【hpkmc250325-1】¥90,200(¥82,000+税)
(生地(麻布きせ無)/螺鈿蒔絵:永真/大きさ:約縦127㎜、横53㎜、厚み4.5㎜)
・流水きらめき木製螺鈿かんざし【hpkmc250325-2】¥168,300(¥153,000+税)
(生地(麻布きせ有)/螺鈿蒔絵:永真/大きさ:約縦127㎜、横70㎜、厚み5.0~4.5㎜)
【木製漆かんざし】
使用する木材はマツ科トウヒ属の常緑の針葉樹、スプルース材。木目がまっすぐで細かく(糸柾目)、耐水性や弾力性に優れることから、良質なものはピアノの響材やギター、ヴァイオリンなど高級弦楽器の表板にも使用されている。日本では古くからまな板や桶など水回り製品に多く使われてきた。
生地作りは、湾曲したかんざしの形状に合わせて成形した型を用いて、木目を縦横に違えながら多くの楽器メーカーが使用するタイトボンドで一枚ずつ締め込み圧着。乾燥後にまた一層、また一層と張り合わせていき、かんざしの場合は通常五枚の板を締め込み圧着して製作します(積層造り)。
次に螺鈿や金蒔絵を施す前の下処理として、成型された生地に蒔き地を施します。漆100%(国産漆輸入漆混合)を塗った表面に炭粉を蒔き、充分に漆を吸わせ乾燥させた後に再び漆を塗る。この工程を3,4回行い、相当硬く丈夫な下地に仕上げます。
その後、さらに漆で下塗り、中塗りをそれぞれ2,3回施し、そしてやっとべっ甲に施すのと同様の工程で、螺鈿や金蒔絵で装飾して仕上げます。まさに作り手の洗練された技術、そして大変な手間と時間を掛けて製作されています。
大きな板面の場合はさらに強度を増すため、下地処理を施す前に高級漆器などに用いる麻布を漆で貼る麻布きせを施します。
耐久性に関しては、上記の製作工程、さらに蒔絵や螺鈿には国産100%の漆を使用していることからも、一般の漆器類と比べてもかなりの強度があります。余ほどの力が加わらない限り破損することは御座いませんが、べっ甲とは異なり継いで直すことは原則できません。
【普段のお手入れ】
日常の髪飾りとしてのご使用には何ら問題は御座いませんが、一般的に漆は直射日光を嫌いますので、強い日の光の当たる場所や乾燥した場所への長期間に渡る放置はお避け下さい。使用後はべっ甲と同様に、メガネ拭きのような柔らかい布で優しく髪の油や整髪料を拭い、桐箱に入れ適度な湿度のある箪笥などにお仕舞いになることをおすすめします。この辺りもべっ甲製品のお取り扱いとほぼ同様になります。
今までべっ甲製品にご興味を持たれながらも、ワシントン条約により歯痒くも販売をお断りしてきた海外の方の目にも、きちんと製作工程などを言語化して説明ができれば、きっと日本のかけがえのない伝統工芸の技、手仕事による素晴らしいモノ作りに、さらにご興味を持っていただけることでしょう。
どのようなかんざしがおすすめか、分からないことなど御座いましたら、どうぞお気軽にご来店の上ご相談ください。色々とお話を伺いながら、ご予算を含め、常時取り揃えております数百種類の中から、最もふさわしいかんざしをお勧めさせて頂きます。
「鶴は千年、亀は万年」古来より縁起物として、広く祝事に尊ばれてきたべっ甲。
一生に一度の晴れの舞台、結婚式などに出席される新郎新婦のお母様、ご親族の方、またご列席されるお客様も、是非べっ甲のかんざしをお勧め致します。べっ甲であれば、大切に保存して頂ければ、一生持ちますし、べっ甲職人が磨けば、ほぼご購入当時のべっ甲本来の輝き、美しさが何度でも蘇ります。また万が一、足などが折れてしまっても修復が可能です。そういった意味からも、べっ甲は次の世代へも受け継いで頂ける素晴らしいかんざしです。
※1980年にワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に日本が批准し、それ以降、べっ甲材料の輸入量は段階的に減っていきました。そして、日本が開催国となった第8回(1992年)締約国会議(加盟国で2,3年に一度開催される会議)が開催された年をもって、それ以降現在に至るまでべっ甲材料の輸入が停止されています。現在制作されているべっ甲製品は、その年以前に輸入した材料を少しずつ大切に使用しながら制作されています。
※天然素材(べっ甲、象牙、珊瑚、真珠等)、貴金属(金、銀、プラチナ等)を用いた手作り品は、 製作時に使用する材料、また加工賃等により価格が変動する場合が御座います。また、ひとつひとつ大きさや形状、装飾などが若干変わる場合が御座います。予めご了承ください。
※べっ甲製品の場合、一見同じ様なお品物でも、使用されているべっ甲の品質や厚み等によって価格が大きく変動いたします。
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