無垢のままで美しい白べっ甲、蒔絵を引き立たせる黒べっ甲|先白べっ甲蝶金蒔絵一本挿し+べっ甲豆知識
「完売」
1か月ほど前に、大変贅沢で、今ではとても希少となってしまった総白べっ甲のかんざしをご紹介させて頂きました。その際にべっ甲の種類やその制作工程など、基本的なべっ甲豆知識的な事柄を改めて書かせて頂きました。
「べっ甲本来の優しい温もりと美しい光沢の白べっ甲+べっ甲豆知識|大変希少で贅沢な鼈甲簪2018」2018.10.掲載商品
上記の記事では、白べっ甲、黒べっ甲、茨布べっ甲と大きく3種類に分けられるべっ甲。それらの種類における”価値(希少性)”については白べっ甲が最も高価ですと書かせて頂きました。
しかしながら、かんざしや帯留などを製品化する上で、何でも白べっ甲を用いることが最善という訳では決して御座いません。
その製品にどのような装飾(彫刻、蒔絵、石使いなど)を用いるか、またどのようなシーン(TPO)にお勧めなものにするかなどによって、敢えて黒べっ甲や茨布べっ甲を用いた方が、より相応しく、そして美しい物が出来上がります。
本日はその一つの例となるかんざしが御座いましたのでご紹介させて頂きます。(2018.11.掲載商品)
希少な白べっ甲はそのまま、黒べっ甲の上の・み・に・色鮮やかな蒔絵が施されています。一見、鯉のぼりの吹き流しや縁起物の組紐などに見られる、古代中国の陰陽五行説からもたらされたという、魔よけの意味を持つ五色(青(緑)・赤・黄・白・黒(紫))かと思いきや、少し配色が異なりますかね。
まぁそれはさて置き、このかんざしをご覧頂ければ一目瞭然ですが、黒べっ甲(黒地)に描かれた蒔絵は、色のコントラストも相まり金色の蒔絵も顔料を混ぜた蒔絵も色が鮮やかに映えます。
また白べっ甲はその希少性から、敢えてその上には蒔絵をせず無垢のまま、その贅沢な存在感を醸し出しています。
また余談になりますが、かんざしは通常右挿し(髪の後ろ側、右斜め上方から下方に掛けて斜めに挿します)になりますが、そのように正しくお挿しになられたときに、美しく輝く白べっ甲の部分が上方に来て、また蒔絵で描かれた蝶も上を向きます。
以上のように、白べっ甲はその美しさ、贅沢さを魅せるため、敢えてその上に蒔絵をせず、無垢のまま、または彫刻などの装飾を施したものが多くなります。
一方黒べっ甲の場合は、コントラストを生かし、煌びやかな、また色鮮やかな蒔絵を施したりする場合に多く用いられます。
また真珠や珊瑚、翡翠などの石を合わせたりする場合も、同じような理由により黒べっ甲が多く用いられます。
中には贅沢に、または敢えて、白べっ甲の上に蒔絵を施したかんざしも御座いますが、幾分優しい印象に映りますでしょうか。
・先白べっ甲蝶五色線金蒔絵一本挿し【hpkbf181121-1】¥57,800+税 【完売】
(大きさ:約縦138㎜、横48㎜)
どのようなかんざしがおすすめか、分からないことなど御座いましたら、どうぞお気軽にご来店の上ご相談ください。色々とお話を伺いながら、ご予算を含め、常時取り揃えております数百種類の中から、最もふさわしいかんざしをお勧めさせて頂きます。
「鶴は千年、亀は万年」古来より縁起物として、広く祝事に尊ばれてきたべっ甲。
一生に一度の晴れの舞台、結婚式などに出席される新郎新婦のお母様、ご親族の方、またご列席されるお客様も、是非べっ甲のかんざしをお勧め致します。べっ甲であれば、大切に保存して頂ければ、一生持ちますし、べっ甲職人が磨けば、ほぼご購入当時のべっ甲本来の輝き、美しさが何度でも蘇ります。また万が一、足などが折れてしまっても修復が可能です。そういった意味からも、べっ甲は次の世代へも受け継いで頂ける素晴らしいかんざしです。
※1980年にワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に日本が批准し、それ以降、べっ甲材料の輸入量は段階的に減っていきました。そして、日本が開催国となった第8回(1992年)締約国会議(加盟国で2,3年に一度開催される会議)が開催された年をもって、それ以降現在に至るまでべっ甲材料の輸入が停止されています。現在制作されているべっ甲製品は、その年以前に輸入した材料を少しずつ大切に使用しながら制作されています。
※天然素材(べっ甲、象牙、珊瑚、真珠等)、貴金属(金、銀、プラチナ等)を用いた手作り品は、 製作時に使用する材料、また加工賃等により価格が変動する場合が御座います。また、ひとつひとつ大きさや形状、装飾などが若干変わる場合が御座います。予めご了承ください。
※べっ甲製品の場合、一見同じ様なお品物でも、使用されているべっ甲の品質や厚み等によって価格が大きく変動いたします。
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