本日は江戸時代より、その年の干支をかんざしに付け、新春を飾る縁起物として今日まで大切に伝承されている福徳繁栄「干支かんざし」をご紹介させていただきます。(2025.11.掲載商品)
来年の干支は「午」。干支かんざしの命名は、一部を除き『「福」+「干支」』なので、今回は『福午』としました。
種類は、総牛こつ製が「駿馬(しゅんめ)」(足の速い馬、優れた馬)と「華馬(はなうま)」(胴に花飾り)の2型(各4種)、合計8種。そしてハイブリッド式(干支:樹脂、足:手彫り牛こつ)の「春駒(はるこま)」(馬の縁起物の玩具)が1型(5種)、全13種でのご紹介となります。
(※稲穂かんざし2026(全14種)も、近日ご紹介させて頂きます。)

【ご注意】
「干支かんざし」は毎年、期間・数量限定で、職人が一本一本丹精込めて手作りにて製作しております。ご注文状況などにより、種類によってはお渡しするまでに、少々お時間を頂戴する場合が御座います。予めご了承ください。
例年ほぼ年内または年明け早々には【完売】しておりますので、お求めの際はどうぞお早めにご来店、お問合せください。
《干支かんざし・まとめ》最新
《稲穂かんざし・まとめ》最新
【総牛こつ製干支かんざし2型・8種】「駿馬」と「華馬」↓

【ハイブリッド型干支かんざし1型・5種】「春駒」↓


「干支かんざし」とは、
江戸時代よりその年の干支をかんざしに付け、新春を飾る縁起物として今日まで大切に伝承されております。一本一本職人が丹精込めてお作りしており、素材は干支の飾り、竹を模した足ともにすべて牛こつ(牛の骨、主に大腿骨)を使用しております。
牛の骨と言っても、なんでもよいと言う訳ではありません。通常骨には”巣”と呼ばれる無数に空いた穴が多くあり、目が粗く、ざらざらとして加工も難く出来上がりの見た目もよくありません。
そこで、まずはよく吟味した材料選びをし、その材料の表面からかなりの部分までを削り落とし、”目”が細かくなるまで丹精に研ぎ出します。
そうして一見象牙とも区別が付かないほど、きれいに目の整った材料のみを使用して、ひとつひとつのパーツを彫刻して製作します。特に近年は、伝統工芸品などの材料として使用に耐えうる、良質な牛の骨の入手も大変難しくなっていると聞きます。確かに、以前何度かご紹介したことのある、正式な色留袖用の牛こつ製親骨を使用した末廣も、最近ではほとんど作られなく(作れなく)なくなってしまいましたね。
江戸時代から先祖代々「干支かんざし」の製作に携わている職人さんのお話によると、一時期象牙で作っていた時期もあったそうですが、元々江戸時代に作られていた干支かんざしの多くは、こうして動物の骨(牛こつ)などを用いて作られていたそうです。
いつも通り、順番にご紹介させて頂きます。まずはすべて牛こつを用いた手彫り総牛こつ製の干支かんざし2種からご紹介させていただきます。

使用した材料は、すべて福一さんより引き継いだものを使用し、小此木氏が手彫りにて誂えました。
干支の馬は頭の先から尾の先まで一つの塊から彫り出したもの。また干支と足は、細い竹ひごで芯立てをして特殊な溶剤にて接着固定しておりますので、余程の力が加わらない限り取れることはないかと思います(3型共通)。

足の裏には、小此木謙一郎氏の銘「言兼(ことかね)」の落款が入ります(2型共通)。
モノには、自然とその造形から発せられる言葉、語りかけてくるものがある。モノにも言葉と同じような働きがあり、言葉を兼ねるという考えからこの銘をお決めになられたそうです。

上段より、
・干支かんざし・福午【駿馬】(白午/青竹/牛こつ)【hp251101-A1】¥14,080(¥12,800+税)
・干支かんざし・福午【駿馬】(白午/赤竹/牛こつ)【hp251101-A2】¥14,080(¥12,800+税)
・干支かんざし・福午【駿馬】(黒午/青竹/牛こつ)【hp251101-A3】¥14,080(¥12,800+税)
・干支かんざし・福午【駿馬】(黒午/赤竹/牛こつ)【hp251101-A4】¥14,080(¥12,800+税)
※干支、竹の意匠の足ともにすべて手彫り牛骨製。(長さ:約137㎜前後)
※天然素材を用いながら、職人が一本一本丹精込めてお作りしております。
※足の裏に小此木謙一郎氏の「言兼(ことかね)」の落款が入ります。
※干支は竹ひごで芯立てをして特殊な溶剤にて接着固定しております。
※お品物により若干大きさや形状、風合いなどが異なる場合が御座います。
※特製桐箱付き。

昨年の巳年では無かった、梅の花をモチーフにした“花飾り”の干支かんざしが復活です。午の鬣(たてがみ)は、金色に染めた竹ひごを首に差して仕上げています。

上段より、
・干支かんざし・福午【華馬】(白午/青竹/牛こつ)【hp251101-B1】¥14,080(¥12,800+税)
・干支かんざし・福午【華馬】(白午/赤竹/牛こつ)【hp251101-B2】¥14,080(¥12,800+税)
・干支かんざし・福午【華馬】(黒午/青竹/牛こつ)【hp251101-B3】¥14,080(¥12,800+税)
・干支かんざし・福午【華馬】(黒午/赤竹/牛こつ)【hp251101-B4】¥14,080(¥12,800+税)
※干支、竹の意匠の足ともにすべて手彫り牛骨製。(長さ:約137㎜前後)
※天然素材を用いながら、職人が一本一本丹精込めてお作りしております。
※足の裏に小此木謙一郎氏の「言兼(ことかね)」の落款が入ります。
※干支は竹ひごで芯立てをして特殊な溶剤にて接着固定しております。
※お品物により若干大きさや形状、風合いなどが異なる場合が御座います。
※特製桐箱付き。
次に、小此木氏が合成樹脂で成形した干支(午)を、同じく小此木氏が手彫りにて製作した牛こつ製の足に添えた、言わばハイブリッド式の干支かんざしのご紹介です。

合成樹脂で成形した干支。昨年の巳年の時は牛こつ製と比べ、やや光沢感、艶感が増した風合いでしたが、今回はいい感じの風合いに仕上がったのではないでしょうか。
但し、着色は一本一本手描きになりますが、干支部分は手彫りの総牛こつ製干支かんざしとは異なり、ひとつひとつ微妙に異なる、温かみのある個性豊かな手彫り感(差異)はなく、干支はすべて同じ“型”を用いて製作した共通パーツとなります(足は手彫り牛こつ製)。また、こちらには銘は入りません。

こちらも干支と足は竹ひごを用いて芯立てをして、特殊な溶剤にて接着固定しています。

上段より、
・干支かんざし・福午【春駒】(白午/青竹/樹脂×牛こつ)【hp251101-C1】¥8,800(¥8,000+税)
・干支かんざし・福午【春駒】(白午/赤竹/樹脂×牛こつ)【hp251101-C2】¥8,800(¥8,000+税)
・干支かんざし・福午【春駒】(赤午/青竹/樹脂×牛こつ)【hp251101-C3】¥8,800(¥8,000+税)
・干支かんざし・福午【春駒】(黒午/赤竹/樹脂×牛こつ)【hp251101-C4】¥8,800(¥8,000+税)
・干支かんざし・福午【春駒】(黒午/青竹/樹脂×牛こつ)【hp251101-C5】¥8,800(¥8,000+税)
※干支の意匠は合成樹脂、竹の意匠の足は手彫り牛骨製。(長さ:約137㎜前後)
※干支は特殊な技法により合成樹脂にて成形しております。
※足は天然素材を用いながら、職人が一本一本丹精込めてお作りしております。
※干支は竹ひごを用いて芯立てをして特殊な溶剤にて接着固定しております。
※お品物により若干大きさや形状、風合いなどが異なる場合が御座います。
※特製紙箱付き。
【大切なお知らせ】
明治時代より、親、子、孫と三代の長きにわたり、干支かんざしを丹精込めて製作して来られた福一さんが、この度諸般の事情により2023年の辰年をもって現役を退かれました。
本来であれば福一さんの流れを汲む方に継承していかれることを氏も望んでおりましたが、急であったことに加え、残念ながら現在では牛こつを扱う工芸士、彫刻士もほぼ絶えてしまっているのが現状です。
弊社でも既存のお取引先様、職先は勿論のこと、伝統工芸にまつわる関係機関、協会と、ありとあらゆる方面へお声掛けをさせて頂きましたが、残念ながら良いご回答を頂戴するに至りませんでした。まさに八方塞がり..
江戸時代から続く縁起物の干支かんざしを後世へと伝承していくことも、ついにこれで仕舞いかと危ぶまれた中、特殊造形、彫刻、彫金などの技術により小道具などを製作、現在映画やテレビコマーシャルなど映像の世界でご活躍の小此木(おこのぎ)謙一郎氏が、その志を受け継いでくださることとなりました。
福一さんより牛こつ材料などを引き継ぎ、短期間ながら直に手解きを受け、見事に製作してくださいました。
今回は従来通り、干支、竹を模した足を含め、すべて牛こつを用いた手彫りの干支かんざし2型。そして手彫り牛こつ製の足に、干支の部分のみ合成樹脂で成形した、言わばハイブリッド式の干支かんざし1型。合計13種の干支かんざしを製作致しました。
なお、今回も総象牙製の干支かんざしは御座いません。例年お楽しみにされていらした方には大変申し訳ございません。

お求めの際は、どうぞお早めにお問い合わせ、ご来店ください。
《今までの干支かんざし一覧》2012年~
※注)過去の干支かんざしはすべて完売しております。
《今までの干支かんざし一覧》2010年~(外部サイト、アメブロへ)
※注)過去の干支かんざしはすべて完売しております。
※天然素材(べっ甲、象牙、珊瑚、真珠等)、貴金属(金、銀、プラチナ等)を用いた手作り品は、 製作時に使用する材料、また加工費などにより価格が変動する場合が御座います。また、ひとつひとつ大きさや形状、装飾などが若干変わる場合が御座います。予めご了承ください。
※べっ甲製品の場合、一見同じ様なお品物でも、使用されているべっ甲の品質や厚み等によって価格が大きく変動いたします。
銀座かなめ屋・三代目のブログ(アメブロ)
https://ameblo.jp/ginza-kanameya/
銀座かなめ屋・フェイスブックページ
https://www.facebook.com/ginzakanameya/
銀座かなめ屋・三代目の𝕏(旧ツイッター)
https://X.com/kanameya_3daime