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■初体験!|べっ甲デザインコンテスト&加工体験に行ってきました!とっても貴重な体験でした!

過日ご紹介致しました、江戸東京博物館で今日(2/10)から開催されている「鼈甲 DESIGN CONTEST & 加工体験」(2016/2/10・11)の初日に行ってきました。美術系の学生さんたちの素晴らしい、そして斬新な作品が数十点ずらりと陳列されていて壮快でした。中には、おっ面白い(べっ甲の)使い方、加工をしているなぁと今まで考え付かなかったような、そして今後のかんざしや帯留の商品作りの参考となるものもありました。目に留まった作品をアンケート用紙に記入、投票してきました。

そしてこのイベントのもう一つの目玉、初めてべっ甲の加工体験(値付け制作)をして来ました。今まで、職人さんの工房にお邪魔して、実際に制作しているところは拝見したことはありましたが、実際に自分が加工するのは初めて。丁度次男坊の学校がお休みでしたので、一緒に初体験して来ましたので、その模様をメインに御紹介させて頂きます。
 
 

【第三回・「べっこう」DESIGN CONTEST 鼈甲&加工体験

~芸術・デザイン学校の学生を対象に、べっ甲素材を利用した作品の発表会、及びコンテストを実施。~
 

・日時:2016年2月10日(水)・11日(木)
    ※10日>>>12:00~18:00
    ※11日>>>10:00~17:00
・会場:江戸東京博物館一階会議室
    東京都墨田区横網1丁目4-1
・費用:無料
・特典:各日先着100名様にべっ甲素材で作成した記念品をプレゼント
・主催:東京鼈甲組合連合会

べっ甲加工体験
 (期間中3回開催、毎回先着15名様中学生以上対象

~江戸べっ甲の職人の指導による加工体験、出来上がった作品はお持ち帰り頂けます。~
 

・2月10日(水)>>>①14:00~15:00(受付13:30~)
・2月11日(木)>>>②10:30~11:30(受付10:00~)、
        >>>③14:00~15:00(受付  〃  )

当日は、デザインコンテスト出品作品をご覧頂けると共に、なんと投票も出来ます。その他にもべっ甲製品の展示(一部販売)や、普通は体験できない、べっ甲材料を使用した加工体験(べっ甲職人が制作した生地を用いた、簡単な体験制作)も出来ます(各回15名限定、中学生以上)。
べっ甲にご興味のある方、またお近くの方はぜひ御来場ください。

江戸べっ甲は、2015年6月に新たに経済産業省の伝統的工芸品にも認定されました。
一般の「伝統工芸品」とは別に、「伝統的工芸品」という呼称は、伝産法により定められています。 「的」とは、「工芸品の特徴となっている原材料や技術・技法の主要な部分が今日まで継承されていて、さらに、その持ち味を維持しながらも、産業環境に適するように改良を加えたり、時代の需要に即した製品作りがされている工芸品」という意味です。(経済産業省HPより)
 


 


 

会場では、べっ甲の基本的な説明と、その製品。また職人さんたちの使う貴重な道具類が展示されています。
 


 

そして、美術系の学生さんたちが、べっ甲を使用して制作した作品たちがずらり。洋装のアクセサリー系が多かったですが、中にはかんざし帯留、そして面白いオブジェなども。来場者はお気に入りの作品に投票出来ます。
 

そして、べっ甲の加工体験スペース。参加出来るのは毎回整理券が必要で、しかも人数限定!早めに行って良かったです。平日と言うのにあっという間にいっぱいになってしまいました。
 

加工体験参加者には、元になるべっ甲材料の端材が配られます。私は運よくちょっと大き目の材料をゲット!
本来べっ甲素材は製品化する上で、何枚も重ね合わせて生地づくりをするのですが、それには長年の経験が必要です。
体験では初心者にも簡単なように、ある程度の厚みを持った材料が事前に配られ、またすぐに糸の子で切りやすいように最初から簡単な絵が描かれているものが多くありました。しかし私はオリジナルの作品が作りたかったので、簡単に鉛筆で下書き。さて何でしょう?!

 


 

ギコギコ、材料を置く木台に少し水を含ませ、材料が動きにくいようにします。
 

これがどうして、思っていた以上に難しかった!まっすぐなところはスムーズに切れるのですが、丸みを持った個所、そして鋭利な角度のところでは、糸の子が材料に食い込んでしまい動かなくなってしまいます。また材料の厚みも均一ではないので場所によってはひと苦労。おかしいなぁ、学生時代は工作だけは得意だったのですが(笑)

下の写真は、スタッフの方が撮影されたのですが、この時自分が撮られていることにまったく気づきませんでした。それ程、集中していたのですね。(笑)
私の横にいる次男坊も集中集中
 

糸の子で大体の輪郭を切り抜いた後は、金属製のやすりや専用の工具、そしてサンドペーパーで、表面、形状を整えて行きます。
 


 

スタッフ(若手の現役べっ甲職人)さん達も各テーブルに付いていて下さっているので、ちょっと苦戦しているところに来ては手伝ってくれます。流石現役の職人さんスピードとクオリティーが格段に違います当たり前ですが。

このナイフのような道具、これは便利な道具ですねぇべっ甲の表面を薄くすきながら平らにしてくれます。
自分の手を切らないように慎重に削って行くと、かんなくず(かつお節?(笑))のようなものがたまって行きます。
 


 


 

これ、間違って下の木台を削って出てきた木くずではありません。べっ甲の削りカスですよ。念の為。
 

大体均等になったかな
次にサンドペーパーを使用してさらに磨いていきます。番手の粗いものから徐々に目の細かいものに。最後はお水を付けて磨いていきます。
 


 

そして最後の仕上げ磨き(バフ掛け)。高速回転するグラインダーの両脇には、柔らかいスポンジ状の布のようなパッド(回転盤)が取り付けてあります。これに専用の磨き粉を付けてべっ甲を磨いていきます。この時、しっかりと材料を持っていないと、簡単に弾かれどこかに飛んで行ってしまいます。磨いていると摩擦熱でべっ甲自体が熱を持ち始めますが、自分の指先もパッドに当たり過ぎると当然熱く感じます。結構これも難しかったですね。
 


 


 

少し大きめだった私の作品は、息子のより一回り幅の広いパッドで磨かせて頂きました。
 


 

お~だんだんべっ甲特有の優しい光沢が出てきました。

そして完成~
あれっでもまだ随分あちこちに小傷があるなぁ。仕上げ磨きの前の段階の下処理(磨き)が不十分だったのですね。あちゃ~。しかしながら、ここでタイムオーバー

最後に値付け紐を通す穴をあけてもらって、ハイ、完成です。
三代目初のべっ甲作品。特大銭亀の値付けです。さて如何でしょうか
(笑)

ちなみに、次男坊の作品は同じく、銭亀の値付け。なんとなく前足の形がアオウミガメっぽいかな?!(笑)これ本当に糸の子で形を抜いていくのが難しかったです。
しかし最初にしては上出来
上出来大変良く出来ました
なんといっても、制作中ずっと真剣に、そして楽しそうに作っていたことが、親として、とても頼もしく感じられました。貴重なべっ甲材料を使用しての加工体験なんて、なかなかできないからねぇ。頼むぞ、若人

 

▼「普段使いのべっ甲かんざし|唯一無二の天然模様が美しい、茨布べっ甲かんざし。+べっ甲豆知識。」ブログ2016年01月20日号
http://ameblo.jp/ginza-kanameya/day-20160120.html

▼「総白べっ甲かんざし2種|シンプルで大変贅沢な白べっ甲かんざし。普段のお着物から準礼装の装いに。」ブログ2016年01月22日号
http://ameblo.jp/ginza-kanameya/day-20160122.html

 


 


 


 


 

いやいや、まぁ、初体験にしては親子ともども、上出来ではないでしょうか?!(笑)
やはり何でもそうですが、修業を積まねば値付け1つ、下の様には作れませんね。
この日は息子共々、大変貴重な経験をさせて頂きました。

 

 

※1980年にワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に日本が批准し、それ以降、べっ甲材料の輸入量は段階的に減っていきました。そして、日本が開催国となった第8回(1992年)締約国会議(加盟国で2,3年に一度開催される会議)が開催された年をもって、それ以降現在に至るまでべっ甲材料の輸入が停止されています。現在制作されているべっ甲製品は、その年以前に輸入した材料を少しずつ大切に使用しながら制作されています。

 

※天然素材(べっ甲、象牙、珊瑚、真珠等)、貴金属(金、銀、プラチナ等)を用いた手作り品は、製作時に使用する材料費、工賃等により価格が変動する場合が御座います。また、ひとつひとつ大きさや形状、装飾などが若干変わる場合が御座います。予めご了承ください。
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