尺籠２０２０｜希少な尺籠。贅沢で個性的な正絹総絞りの籠付巾着。

本日は今では希少な尺籠（篭）（しゃくかご）をご紹介させていただきます。一昨年は6種（内、１種は掲載前に完売）WEBにてご紹介させていただきましたが、未掲載商品を含め、嬉しいことに現在は総絞りの帯揚げで製作した尺籠１種（尺籠2018-5）のみを残すだけとなってしまいました。

底の籠材自体のストックはまだ若干数あるので、またおしゃれな帯揚げを見繕って製作しようかと思っております。そして本日はまだご紹介していなかった総絞りの帯揚げで製作しました尺籠が1つございましたのでご紹介させていただきます。（2020.02.掲載商品）

総絞りの正絹帯揚を使用したオリジナル尺籠です。気品のある紫色の地に、明るいピンク色の花。こちらも現品限りとなりますので、お目に留まりましたらどうぞお早めにご来店、お問い合わせください。

裏側↓

尺籠の裏側。“虫”が四隅にしっかりと付いています。

通称“虫”と呼ばれるのは、篭の底の四隅に付いている“イモムシ”のような出っ張りのことを言います。これは篭の強度を高めてくれる特殊な補強で、この“虫”があるかないかで、その籠自体の強度がかなり変わり、強いては“持ち（寿命）”も変わってきます。

最近世に出回っている尺籠、または一般の籠などには、この“虫”が付いていないものや、少し簡略化された“虫（もどき）”によって補強されているものも多く見受けられます。その理由は、日本でほぼ唯一といわれていたこの籠部を製作していたところが、何年か前にお辞めになってしまったからです。

当時、かなめ屋でもその情報を聞き、いち早くある程度の材料を確保することができたため、今でも何とか辛うじて新作を製作することができています。とはいうものの、残り僅かとなった限りある材料、ある仕入先より別の会社が新たに製作を始めてくれそうだということを聞きましたので、手持ちの材料がなくなる前に一度連絡を入れてみようかと思っています。

本当に、日本の伝統工芸、モノづくりの現場では、こんな危機的なことが日常茶飯事で起こっています。