蛇の目傘2019|蛇の目《中入り》3種|希少な高級化粧和傘。
「販売中」(欠品・製作中の場合あり。在庫状況はお問い合わせください。)
本日は蛇の目傘のご紹介です。蛇の目については、今から9年ほど前の2010年に一度アメーバブログにてご紹介(アメブロへ⇒)させて頂きました。その時はまだ、傘全体を覆う傘布(かさぬの)に「絹」と「和紙」を重ね合わせた羽二重(はぶたえ)を用いた高級羽二重蛇の目傘もお取り扱いをしておりました。(2019.04.掲載商品)
しかしながら現在では、製造元の縮小、職人の廃業、材料費の高騰などが進み、残念ながら本日ご紹介する「和紙」一重(ひとえ)の蛇の目傘のみとなります。(勿論こちらも雨をしのぐ実用品です。)
和装小物の世界では、近年こうしたことが頻繁に起こっています。特に悩ましいのは、上質な(高額品と言う意味ではなく)ものから、そうしたことが顕著に見られるということです。そのため、私たちのような品質に拘る和装小物を取り扱う専門店としては、苦労をすることがとても増えてきました。
どこが(なにが)悪いと言う事は一概には言い切れないのですが、ひとつの例として、ちょうど昨日お扇子をお探しの比較的お若いお客様がお越しになりました。お望みのお品物が見つかりご購入して下さったのですが、その帰り際に…、
『最近はこういう「和もの」をどこで購入したらいいのか(どこで取り扱っているのか)分からなくて、いざという時に困ってしまいました。こういうお店(和装小物店/実店舗)も周りにはないし、最近は百貨店でも(和装小物は)少ないですものね。ネットで《扇子》、《銀座》、《店舗》で検索してこちらに辿り着けて良かったです。』
これもいつもお話ししていることですが、近年の価値観の変化などにより、「和」における《需要》と《供給》のバランスが崩れ、萎縮する中で、取り扱う小売店、専門店が減ってきているのですから、製造する側も同じく(またはそれ以上に)疲弊し萎縮していくことはごく自然な流れです。
本日ご紹介する蛇の目傘も、近年は大変不安定な入荷状況です。傘布のお色も種類(中入り/無地)もその時々でよく変わります。またタイミングによっては入荷が滞り、欠品状態がしばらく続く場合も御座います。
そうしたことを踏まえ、大変申し訳御座いませんがこちらの商品は《店頭販売のみ》とさせて頂きます。またご来店の際は事前に、在庫内容をお問合せくださることをお勧めいたします。
本来《蛇の目(傘)》とは、上のお写真のように「中入(なかいり)」と呼ばれる”白い帯“の入ったものを指します。上から見るとちょうど”蛇(へび)”の”目“のように見えることからそう呼ばれています。また神の使いとされる「蛇」の「目」には神聖な力が宿るとされていることから、魔除けの意味も込められています。
しかし現代では紙と竹を使用している細身の和傘を総じて『蛇の目(傘)』と呼ばれています。※「中入」を「助六(すけろく)」、「白抜き(しろぬき)」などと呼ぶ場合も御座います。
またよく、《番傘》置いてますか?!とご来店、またお問い合わせのお電話を頂くことがあります。《番傘》と《蛇の目傘》、どちらも雨をしのぐ雨具になりますが、以下の通り微妙に異なります。
《番傘》とは、その昔一般庶民の間で使用されていた雨具(傘)のことを指します。時代劇とかでよく飲み屋などの店先に置傘などとして置いてあったり、浪人が持ったりしている傘です。今でも専門店などで蛇の目傘に対し比較的リーズナブルな価格で購入出来ます。
特徴的なのは、蛇の目に比べ全体的に”ごつく“、太身の和傘を指します。”傘お化けオバケ”のように持ち手に向かって太くなっています。また、現代では男性が持つことが多いようです。
対して《蛇の目(傘)》とは、傘の内側に糸飾り等が施されていたり、親骨のうら側は朱色などに染められ化粧されています。また、《番傘》に比べその形は細くすっきりとしています。現代では女性が持つことが多いようですが、粋な男性や関取(アメブロへ⇒)などもお持ちになります。
《和傘の持ち方、置き方》
蛇の目傘の柄の先には金属製の《石突き》(いしづき)が取り付けられています。洋傘の場合、柄の持ち手側を上にして、傘立などにお仕舞になりますが、和傘の場合は逆になります。
和傘の場合は持ち手側の、この金属製の《石突き》を下にして地に置き、お仕舞になる場合もこの向きになります。また余談ですが、間違っても一般の傘立てには入れないようにしてください。鋭い洋傘の先につつかれ、紙が簡単に破れてしまいます。
・蛇の目傘《中入り》濃紺色【hp190410-1】¥46,000+税~※
(和紙/親骨44本/はじき2段/長さ:約740㎜)
※こちらの商品はネット販売しておりません。
※色合い、細部の仕様、価格なども予告なく変わる場合が御座います。予めご了承ください。
※価格改定(2020年)
《蛇の目傘の粋な挿し方》
蛇の目傘の柄には、傘を広げた時に引っ掛ける’はじき‘と呼ばれるひっかける留め具が2つあります。2か所の留め具(上はじきと下はじき)により、2段階に傘の開き方を調整することが可能です。
通常は下段の留め具(下はじき)のところまで傘を広げ、若干”半開き“気味で差すのが粋な差し方です。”アイアイ傘”やちょっと大降りの雨などの時は上段のところ(上はじき)まで傘を広げて差します。
・蛇の目傘《中入り》赤色【hp190410-2】¥46,000+税~
(和紙/親骨44本/はじき2段/長さ:約740㎜)
※こちらの商品はネット販売しておりません。
※色合い、細部の仕様、価格なども予告なく変わる場合が御座います。予めご了承ください。
※価格改定(2020年)
・蛇の目傘《中入り》江戸紫色【hp190410-3】¥46,000+税~
(和紙/親骨44本/はじき2段/長さ:約740㎜)
※こちらの商品はネット販売はしておりません。
※色合い、細部の仕様、価格なども予告なく変わる場合が御座います。予めご了承ください。
※価格改定(2020年)
本日ご紹介しました《中入り》のほかにも、《無地》の蛇の目傘(¥26,000+税/2019.04.現在)が御座いますので、また日を改めてご紹介させて頂きます。(¥30,000+税/2020.10.現在)
また当店でお買い上げの蛇の目傘には、蛇の目傘の上部(金色布)、頭紙(ずがみ)に、無料にてお名前を入れさせて頂きます。(1文字~3文字程度、2、3日お預かり致します。)
《蛇の目傘の制作工程》
本来『蛇の目(傘)』の制作工程は大きく分けて3つに分かれます。それぞれに専門の職人《骨師》、《張り師》、そして《仕上げ師》に分かれ、(昔の)蛇の目傘のうら側には、その3職人の名前がそれぞれ刻まれていました。(細かく分けると100近くの工程になります。)
(※現在かなめ屋でお取り扱いしている蛇の目傘は、お一人の方が全工程を担っています。)
《骨師》とは、蛇の目傘の”骨の削り出し”と”骨組み”を製作する職人のことを言います。張られる和紙と糸が骨の間に入ることを計算に入れ、まず一本の太い竹を蛇の目の形になるように調整をしながら削り出します。その後数十本に削り出し(割き)、骨組みを作っていきます。
『張り師』は、骨師が作った骨組に紙を張るのですが、何十回、何百回と雨に濡られながら閉じたり開いたりしても痛まず、剥がれたりしないよう紙を調整しながら貼っていきます。また傘を開いた時もそうですが、閉じたときも美しい円筒形が形作られるよう配慮します。まさに職人技です。
『仕上げ師』は、出来上がった傘に油を塗り、天気のよい日によく乾燥させます。一見簡単そうに聞こえますが、この時の微妙な加減が重要で、油量が多過ぎると紙がくっつき傘が開かなくなったり、また少な過ぎると今度は雨が裏側へ染み出して来てしまいます。最後に骨の上に漆 (カシュー)を塗って仕上げます。
《大切な蛇の目傘を長くご使用するにあたり》
蛇の目傘は、台風の日や、風雨の強い荒天の日にはお勧めいたしません。傘骨が折れたり傘布が破れる恐れが御座います。弊社でお買い求め下さった蛇の目に限り、有償にて簡単な修理をお受けしております。
(※骨が折れてしまった、ばらけてしまった、柄が抜けてしまった場合などは一切の修理が出来ません。また傘布の破れ具合(大きさや箇所)によっても修理が出来ない場合が御座います。予めご了承ください。)
またご使用後は、傘を開き必ず陰干しをして十分に乾かしてください。半乾きのままにしておくと、和紙がくっついてしまったり、カビの発生や傘布(油紙)に虫が湧いたりする場合が御座います。十分に乾かした後は、ご購入時に付属していた筒状の留め具で絞めて頂くと、やや広がった形状も元に戻りやすくなります。
長期間ご使用にならない場合も、時折傘を広げて風通しをしてあげると宜しいかと思います。
「梅雨空の銀座、関取、新小結・隠岐の海さんが蛇の目傘をお求めに再びご来店です!ごっつぁんです!」ブログ2013年06月20日号(アメブロへ⇒)
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