本日は茨布べっ甲の特性を生かした“布包み(ふづつみ)”という技法を用いた、華やかな準礼装用のべっ甲かんざしをご紹介させて頂きます。(2026.09.掲載商品)
ご存じのようにべっ甲は大きく3種に分かれます。全体が黒いべっ甲を“黒べっ甲”、全体に黄色味がかった半透明のべっ甲を“白べっ甲”。そして全体に白べっ甲と黒べっ甲が交じり合った、いわゆるべっ甲模様のべっ甲を“茨布(ばらふ)べっ甲”と呼びます(地域により呼び方が異なったり、さらに細分化されています)。
3種のべっ甲の中で、最も希少性が高く高価なものは白べっ甲で、タイマイの一枚の甲羅からおおよそ10%程度しか取れないと言われています。次に黒べっ甲、そして最も材料の多いものが白べっ甲と黒べっ甲が交じり合った茨布べっ甲です。
白べっ甲はその希少性から、花魁(おいらん)や芸者(芸妓)、また近年まで花嫁用のかんざし一揃えなどの材料として用いられてきました。花嫁用のかんざし一揃えの製作費は、“蔵が一つ建つ”とも比喩されるほど高額なものでした。
また現代の白べっ甲を用いたかんざしや帯留はその希少性から、一般的には蒔絵などを施さず、べっ甲本来の美しい光沢と透明感を引き立たせるため、あまり過分な装飾はせず無垢のまま、あるいは透かし彫りなどの彫刻で装飾します。
黒べっ甲はその艶やかな黒色から、蒔絵や螺鈿、また真珠や珊瑚、翡翠、天然石などを装飾に用いることにより、色のコントラストが効き、きれいに映るので黒べっ甲を用いる場合が多くなります。
茨布べっ甲は、恐らく一般の方がべっ甲と聞いて一番に連想する素材ではないでしょうか。その柄行は人の指紋と同じように、その個体ごとに異なり、まったく同じ模様は二つとして存在しません。和の世界ではそのべっ甲特有の天然模様を生かし、主に普段使い、洒落もののかんざしや帯留などに用いられます。
本日ご紹介するべっ甲かんざしは、その唯一無二の茨布べっ甲の天然模様を生かし、白べっ甲の半透明な部分はそのままに、黒色から茶褐色の部分に螺鈿を施す“布包み”という装飾技法を用いて、準礼装に相応しいかんざしとして製作した唯一無二のかんざしになります。
ちょうど10年前にもご紹介させて頂いたことが御座いましたので、よろしかったら下記リンク先よりご覧ください。
「螺鈿金蒔絵の輝きが美しいべっ甲かんざし|布包み|準礼装(セミフォーマル)用の華やかなかんざし」2016/03掲載商品【完売】(弊社外部サイト~アメブロへ)
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