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白べっ甲牡丹飾り簪2019|日本の古き良き伝統技の復刻、振袖、色打掛におすすめなかんざし。

 

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本日は美術館に収蔵されていても決しておかしくない、大変見事なべっ甲かんざしをご紹介させて頂きます。(2019.02.掲載商品)

 

現代ではほとんど目にすることが無くなってしまった、白べっ甲花嫁用簪一揃え(アメブロへ⇒)。神前式の厳かな結婚式で、白無垢姿の花嫁が綿帽子を被り、その時に髪に挿しているかんざしです。

通常立体的で吉祥に纏わる華やかな装飾を施した《》、《》、《対の前挿し》の4点で一揃えになります(これに《対の後ろ挿し》が加わり6点の場合も御座います)。

今では辛うじて、合成樹脂製のものを見掛けますが、べっ甲製のホンモノはネット上でも滅多に目にすることはありません。

 

いつもお話ししているように、時代、価値観の変化に伴い、需要と供給のバランスも変化していき、残念ながら失われようとしている日本の素晴らしい伝統工芸技術)の一つではないでしょうか。

今から十数年前に一度、べっ甲製品の制作に携わる方にお聞きしたことがあります。

 

今、白べっ甲で同様の花嫁用かんざし一揃えを製作することは可能でしょうか?またもし可能だとしたら費用は幾らぐらいになりますか?…

 

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そうしたら確かこのようなご返事でした。

『製作してみないと分かりませんが、今だったらギリギリ可能かもしれません。昔に同様のかんざしの製作に携わったべっ甲職人が今でしたら少なからずともおります。

ただし、あまりに繊細な装飾はもう難しいでしょう。費用に関しては実際に材料を集めて制作し始めてみないと分かりませんが、ざっくり500万円以上。日数は少なくとも1年は掛かります。』

 

昔から、花嫁用の鼈甲かんざし一揃えの価値を例えるのによく、《蔵がひとつ建つ》と言われています。そのことから、貴族やごく一部の上流階級などのお家だけがホンモノ(べっ甲製)の花嫁用かんざし一揃えを挿すことが出来たと言われています。当然、一般庶民には到底手の届かぬ品物でした。

 

ちょっとご裕福なお家でもべっ甲にはなかなか手が出せず、べっ甲を模したは、牛甲(牛の爪)製のものや、一般庶民の方は、セルロイドベイクライトなどの樹脂製(今でいうプラスチック)のかんざしを用いられてきました。

今ネット上でご覧になれるものの多くは、そうした樹脂製のものがほとんどです。

 

しかし、何とかこの素晴らしい日本の伝統工芸の技術を現代に蘇らせることが出来ないか?!

 

そうして完成したのが、本日ご紹介致しますべっ甲かんざしです。土台に現代でも制作されているU字型のべっ甲かんざしを使用し、その上に花嫁用かんざしや昔の立体的な前挿しなどの制作技法を再現。

花びら、蕾、葉、茎など細かなパーツを一つ一つ丁寧に製作し、熱により組み合わせ、曲げながら形作り、素晴らしい牡丹の花を咲かせました。

 

それではどうぞご覧ください。

 

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ご覧ください、この見事な牡丹の花。製作して下さったのは今や日本でただ一人、べっ甲を専門とする彫刻師、喜山(藤田誠)さんです。先ほどお話しした、過去に同様のかんざしの制作に携わった数少ないベテランのべっ甲職人のお一人です。

何度となく弊社のホームページやこのブログで、氏の手掛けられたかんざしをご紹介してきましたね。

 

喜山さんは言います。遠い昔の記憶を頼りに、何度も何度も試行錯誤を繰り返し、そして徐々に昔の技を手に思い出させながらこのかんざしを製作しました。そしてとても楽しかったと

 

もう二度とこのようなかんざしは作らない(作れない)と思っていたので、当時まだべっ甲業界が華やかだったころ、そしてひとりのべっ甲職人として日々腕に磨きをかけていたころを思い出しながら、苦心しながらも、とても楽しく製作できたと聞きます。

きっとべっ甲職人冥利に尽きるのかもしれませんね。いつになるか分かりませんが、次回作も期待です。

 

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ちょうど上のお写真でお分かり頂けますでしょうか。

土台となるU字型のかんざしに、べっ甲で一本芯立てをしてあります。そこに先に製作してあった茎や葉、花弁などのパーツを重ね、立体的な絵に仕上げていきます。

 

よくご覧頂ければお分かりになると思いますが、葉や花弁一枚一枚細かなパーツに分けて制作したものを、べっ甲本来の制作技法である《水》と《熱》により曲げながら《圧着》して形作っています。まさにべっ甲職人のセンス、技、腕の見せ所です。

 

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・白べっ甲牡丹飾りかんざし【hpkbf190213-1】¥880,000+税

(本体大きさ:縦約185㎜、横75㎜、高さ46㎜、厚み5㎜~1㎜/装飾含む全長)

(装飾大きさ:縦約85㎜、横75㎜、高さ41㎜、厚み3㎜~1㎜)

(喜山(藤田誠)作)

 

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銀座かなめ屋は、創業80周年を迎えました。 これからも斧琴菊(よきことをきき)ながら日々精進。」2014年04月掲載商品【参考品】(アメブロへ⇒)

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https://ameblo.jp/ginza-kanameya/day-20140401.html (アメブロへ⇒)

【べっ甲豆知識】その③(東京の伝統工芸品)」2009年12月掲載商品【参考品】(アメブロへ⇒)

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https://ameblo.jp/ginza-kanameya/entry-10406492779.html (アメブロへ⇒)

 

 

どのようなかんざしがおすすめか、分からないことなど御座いましたら、どうぞお気軽にご来店の上ご相談ください。色々とお話を伺いながら、ご予算を含め、常時取り揃えております数百種類の中から、最もふさわしいかんざしをお勧めさせて頂きます。

 

▼【白べっ甲かんざし】まとめ(留袖・訪問着・小紋などにおすすめ)

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▼【べっ甲かんざし・蒔絵/螺鈿】まとめ

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▼【黒べっ甲かんざし・真珠使い】まとめ(留袖・訪問着におすすめ

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鶴は千年、亀は万年古来より縁起物として、広く祝事に尊ばれてきたべっ甲

一生に一度の晴れの舞台、結婚式などに出席される新郎新婦のお母様ご親族の方、またご列席されるお客様も、是非べっ甲のかんざしをお勧め致します。べっ甲であれば、大切に保存して頂ければ、一生持ちますし、べっ甲職人が磨けば、ほぼご購入当時のべっ甲本来の輝き、美しさが何度でも蘇ります。また万が一、足などが折れてしまっても修復が可能です。そういった意味からも、べっ甲は次の世代へも受け継いで頂ける素晴らしいかんざしです。

 

※1980年にワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に日本が批准し、それ以降、べっ甲材料の輸入量は段階的に減っていきました。そして、日本が開催国となった第8回(1992年)締約国会議(加盟国で2,3年に一度開催される会議)が開催された年をもって、それ以降現在に至るまでべっ甲材料の輸入が停止されています。現在制作されているべっ甲製品は、その年以前に輸入した材料を少しずつ大切に使用しながら制作されています。

 

※天然素材(べっ甲、象牙、珊瑚、真珠等)、貴金属(金、銀、プラチナ等)を用いた手作り品は、 製作時に使用する材料、また加工賃等により価格が変動する場合が御座います。また、ひとつひとつ大きさや形状、装飾などが若干変わる場合が御座います。予めご了承ください。
※べっ甲製品の場合、一見同じ様なお品物でも、使用されているべっ甲の品質や厚み等によって価格が大きく変動いたします。

 

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